内視鏡支援下顎骨関節突起骨折整復固定術

内視鏡支援下下顎骨関節突起骨折整復固定術(担当:岩井俊憲)

 下顎骨関節突起骨折(耳の前にある顎の関節の骨折)に対する治療には,保存的治療と外科的治療の2つの方法があります。保存的治療はゴムやワイヤーなどで顎を数週間固定して治療します。手術を行わなくてよいといった利点がありますが,治療期間の長さと開口障害が生じること,さらに折れた骨片は元の位置には戻らないといった欠点があります。これに対し,外科的治療では治療期間は短期になるものの,皮膚を切開するため顔面神経麻痺や皮膚の瘢痕(傷)が術後合併症として問題になることがあります。そのため,われわれは合併症を生じさせず,治療期間を短縮させるため,内視鏡支援下によるプレート固定術を導入しています。当科の担当医はこの手術のパイオニアであるドイツのフライブルク大学に留学し,研修を受けているため,この低侵襲手術を標準治療として行っています。口腔内からアプローチして内視鏡下で折れた骨片を固定できるため,顔面神経麻痺は生じず,皮膚に傷は残らないといった患者満足度の高い治療が可能となっています。
低侵襲手術のご希望がありましたら,紹介状(できれば画像データも)を持参のうえ、ご相談下さい。
横浜市立大学附属病院(代表)045-787-2800 
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【News】
・2014/10/19 岩井俊憲助教が第59回日本口腔外科学会総会のシンポジウム「口腔外科領域での内視鏡の応用」でシンポジストとして講演しました。
・2014/4/25 横浜市立大学先端医科学研究センター市民講座でプロジェクトリーダーの岩井俊憲助教が「患者さんにやさしい歯科・口腔外科の内視鏡手術」の講演を行いました。
・2014/4/18 岩井俊憲助教の内視鏡の研究が神奈川新聞に掲載されました。
・2013/10/11 岩井俊憲助教が第58回日本口腔外科学会総会 若手口腔外科医のためのミニレクチャーにて、 「口腔顎顔面領域における内視鏡を用いた低侵襲手術-導入のためのA to Z-」のテーマで50分間の講演を行います。