矯正歯科(担当:本田康二。外来:月・金)

当科のご案内

 当院では矯正歯科外来において,小児から成人までの幅広い年齢層の患者さんを対象に,上顎前突(出っ歯),下顎前突(受け口),叢生(歯のでこぼこ,八重歯)といった一般的な噛み合わせ異常の治療をはじめ,顎の骨格的な変形により生じる受け口や顔面の非対称といった手術が必要な患者さんに対しても口腔外科と連携し,治療を行っています。また,当科では唇顎口蓋裂(口唇裂・口蓋裂)や先天性疾患による咬合異常,多数歯欠損などの治療にも取り組んでいます。さらに,親知らずの手前の歯が虫歯になっていて保存できない場合には,虫歯の歯を抜歯してから親知らずを矯正的に牽引(引っ張り出す)することで,親知らずを活かす治療を行っています。
 矯正治療を通じて,患者さんと良好なコミニュケーションを築き,美しい口元と同時に良く噛める健康な歯並びにし,長期的に安定させることを目指しています。

当院の治療の特色

・ プラスチックやセラミックを用いた目立たない透明なタイプのブラケット(矯正装置)を使用
・ 歯にかかる力が優しく一定で,痛みの少ないワイヤーを使用
・ 歯の移動の際に確実な固定源となるインプラントアンカー(固定用の小さなねじやプレート)
 システムを用いた治療(症例に応じて使用することがあります。)
・ 自分の歯の本数を減らすことなく行える,移植を併用した矯正治療
・ 歯周病や虫歯などにより生じた歯並びの不正を部分的に整え(小部分矯正),入れ歯やブリッジ,
 インプラント治療を行う際の前処置
・ 取り外しの可能な透明な装置による歯の移動
・ 矯正治療後の後戻りのご相談

主な対象疾患

・歯並びの異常
 八重歯,叢生,乱杭歯,空隙歯列
 上顎前突(出っ歯),下顎前突(受け口),開咬
・顎変形症
 骨格的な不調和により生じた,著しい出っ歯や受け口,顎の曲がりなどを外科的手術を併用して行う症例
・口唇裂・口蓋裂
・先天性疾患に起因する咬合異常

治療費について

一般的な矯正治療については,保険適応外の治療で私費による診療となります。使用する装置,治療期間によって多少異なりますが,こどもの治療(乳歯列期)は治療終了時点までに30万円前後,大人の治療(永久歯列期)は60万円前後となります。

保険治療対象となる疾患について

 以下の疾患に対応する咬合異常に対する矯正治療については保険が適応となります。
「口唇裂・口蓋裂・顔面裂」,「顎変形症」,「ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む)」,「鎖骨・頭蓋異形成症」,「クルーゾン症候群」,「トリチャーコリンズ症候群」,「ピエールロバン症候群」,「ダウン症候群」,「ラッセルシルバー症候群」,「ターナー症候群」,「ベックウィズ・ウィードマン症候群」,「尖頭合指症」,「ロンベルグ症候群」,「先天性ミオパチー」,「顔面半側肥大症」,「エリス・ヴァン・クレベルド症候群」,「軟骨形成不全症」,「外胚葉異形成症」,「神経線維腫症」,「基底細胞母斑症候群」,「ヌーナン症候群」,「マルファン症候群」,「ブラダーウィリー症候群」,「筋ジストロフィー」,「大理石骨病」,「色素失調症」,「口-顔-指症候群」,「メービウス症候群」,「カブキ症候群」,「クリッペル・トレノーネイ・ウェーバー症候群」,「ウィリアムズ症候群」,「ビンダー症候群」,「スティックラー症候群」,「小舌症」,「頭蓋骨癒合症」,「骨形成不全症」,「口笛顔貌症候群」,「ルビンスタイン-ティビ症候群」,「常染色体欠失症候群」,「ラーセン症候群」,「濃化異骨症」,「6歯以上の非症候性部分性無歯症」

顎変形症

 外科的手術を伴う矯正治療については保険が適応になります。
費用は,患者さんの健康保険の負担率や使用する装置によって異なりますが,おおよそ治療終了時点までに矯正治療単独で40万円前後となります。(手術および入院等の費用は別途発生します。詳しくは外来でお訊ねください。)