臨床研修医

歯科研修医募集
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初期臨床研修医

 歯科・口腔外科は顎顔面口腔を構成する組織およびその関連器官の疾患の診断と治療を行う分野であり軟組織並びに硬組織の両疾患を対象とします。こうした歯科・口腔外科の専門知識と技術・技能を有し、医科大学としての特徴を生かし、医学に通じた歯科医師を養成することを目標とします。
 当科における初期研修には2つのプログラムがあり、附属病院での研修プログラムと附属市民総合医療センタ−(センター病院)での研修プログラムがあります。どちらも2年間のプログラムで、附属病院では1年目にセンタ−病院研修を3か月、センタ−病院では1年目に附属病院研修を4か月行い、2病院を回ることによって口腔外科で扱う疾患を幅広く経験できるようにしています。また、2年目の研修では隣接医科への研修があり、附属病院プログラムでは麻酔科・放射線科・形成外科における研修、センタ−病院プログラムでは麻酔科研修が組まれています。1年間の研修終了後、研修歯科医としての修了認定を行い、1年目の経験を生かして、同じ病院で2年目の研修を受けることができます。2年の研修が終えた後の進路としては、横浜市立大学大学院への進学や附属病院における後期研修プログラムなどがあります。

後期臨床研修医

後期研修プログラム(シニアレジデント)

 後期研修プログラムは専門医養成のため、日本口腔外科学会専門医取得に向けた症例、手術ならびに論文発表を経験し、一分野に卓越した知識と技術を備えた医師・歯科医師を養成することを目的としています。初期研修を終了した原則卒後3〜5年目の臨床医を対象にしたプログラムです。研修期間は附属病院にて1〜3年間となります。
 日本口腔外科学会専門医を取得するためには、執刀医としての手術経験、入院患者の管理、学会発表・論文発表などの要件を満たす必要がありますが、専門医取得を目指す上で、附属2病院ともに豊富な症例を有しています。当科では、現在日本口腔外科学会指導医が5名、専門医が7名在籍しており、手術などの臨床から、論文発表まで幅広い経験に基づいた確かな指導をすることができます。 また、横浜市立大学では要件を満たせばシニアレジデントの立場のまま大学院に在籍することが可能であり(社会人大学院)、臨床研究を行いつつ学位取得を目指すこともできます。

臨床研修Q&A

Q:附属病院での研修概要を教えてください。

A:1年目の1週間のスケジュールは、以下の表の通りです。

曜日

指導内容


8:30〜病棟カンファ 
病棟:病棟処置、オーダ入力等
外来:午前 初診患者の診察、午後 小手術


8:30〜病棟カンファ 
病棟:病棟処置、オーダ入力等
外来:午前 初診患者の診察、午後 小手術
16:30〜 症例検討会、医局会


8:30〜病棟カンファ 
病棟:病棟処置、オーダ入力等、全麻手術(全身管理 術前術後管理)
外来:午前 初診患者の診察、午後 小手術


8:30〜病棟カンファ 
病棟:病棟処置、オーダ入力等
外来:午前 初診患者の診察、午後 小手術


8:30〜病棟カンファ 
病棟:病棟処置、オーダ入力等、全麻手術(全身管理 術前術後管理)
外来:午前 初診患者の診察、午後 小手術
合同症例検討会(月1回、附属病院にて)

研修医2年目は4か月間の麻酔科(ICU含む)研修、3か月間の放射線科研修、2か月間の形成外科での研修を行います。

Q:附属市民総合医療センターでの研修概要を教えてください。

 A:1週間のスケジュールは、以下の表の通りです。

曜日

指導内容


8:30〜病棟処置 処置後外来(午前:初診患者の診察、午後:小手術)


8:30〜病棟処置 処置後外来(午前:初診患者の診察、午後:小手術)
全麻手術・病棟(全身管理 術前術後管理)
17:30(外来処置・病棟管理終了後)〜 症例検討会


8:30〜病棟処置 処置後外来(午前:初診患者の診察、午後:小手術)


8:30〜病棟処置 処置後外来(午前:初診患者の診察、午後:小手術)
全麻手術・病棟(全身管理 術前術後管理)
17:30(外来処置・病棟管理終了後)〜 症例検討会


8:30〜病棟処置 処置後外来(午前:初診患者の診察、午後:小手術)
全麻手術・病棟(全身管理 術前術後管理)
症例検討会(月1回附属病院にて)

 研修医2年目は歯科口腔外科矯正歯科で9か月、麻酔科で3か月の研修を行います。

Q:他の病院や診療科での研修はありますか?

A:附属病院ではプログラムAとBのふたつのプログラムを用意しています。いずれも附属病院での研修を原則としていますが、より多くの口腔外科的疾患を経験できるように附属市民総合医療センター(プログラムA・B)及び済生会横浜市南部病院(プログラムAのみ)においても研修を行います。口腔外科学を主軸に麻酔科(ICU含む)・放射線科・形成外科を含めた研修プログラムを2年間かけて履行していただきます。
附属市民総合医療センターでは、1年目は市民総合医療センターでの研修が9か月、附属病院での研修が3か月、2年目は市民総合医療センターでの研修ですが、麻酔科での研修が3か月含まれます。

Q:どのような症例が経験できますか?

A:附属病院、附属市民総合医療センターとも口腔外科全般を扱っていますが、附属病院では口腔癌患者が多いのが特徴です。また、唾石症に対する内視鏡手術、ナビゲーションを用いた手術なども数多く行っています。附属市民総合医療センターでは顎変形症手術を多く実施しています。

Q:研修医が実際にどのような外科処置をすることができますか?

A:研修開始後6か月は外科処置の介助が中心となります。指導医の判断のもと、研修の習熟度や症例の難易度に応じておよそ半年経過後から智歯抜歯などの口腔外科手術を実施してもらいます。これらに加えて有病者の抜歯、入院症例ではプレート除去などの手術を実施できます。

Q:土日夜間の勤務はありますか?

A:附属病院では月5回程度の頻度で上級医とのペアによる当直があります。市民総合医療センターでは上級医とのペアで休日のオンコール体制に加わっていただきます。また、上級医とのペアで月1、2回程度の当直をしていただきます。

Q:一般歯科治療は経験できますか?

A:当院入院患者さんの応急的な義歯調整や脱離した補綴物・修復物の再セットのみです。歯科治療の頻度は非常に少ないです。

Q:研修における到達目標や評価はどのようなものですか?

A:水平埋伏智歯を安全に難なく抜歯できることを1つの目標としています。評価は別に設定した研修手帳を作成していただき、月1回程度の講義に対するレポート、研修態度などを加味して総合的に評価します。

Q:研修後の進路はどのようなものがありますか?

A:研修終了時点における口腔外科研修医としての習熟度が当初の目標に到達できた場合、引き続き附属病院、附属市民総合医療センター、あるいは関連病院に勤務することができます。しかし、各々の病院における状況次第となるため、必ずしも希望に添えないことがあります。その他、大学院へ進学したり,開業医に勤務することになります。

Q:大学卒業と同時に大学院に進学することはできますか?

A: 大学院への進学は2年間の臨床研修を修了し、指導教官(主任教授)の許可を得て受験することになります。大学卒業後すぐに大学院への入学はできません。

Q:大学院を希望する場合、いつ頃進路を決めて、いつ受験しますか?

A: 研修医2年目の8月初旬に大学院博士課程入試の出願、9月中旬に試験があります。出願にあたっては主任教授の許可が必要であり、それまでに意思表示をして許可を得る必要があります。試験は英語(外部試験)および専門科目(口腔外科学)となりますが、詳細については大学院入試情報を確認してください。

Q:大学院へ進学し、臨床と両立することはできますか?

A:大学院では基礎講座などで大学院生専属として研究する場合と,臨床を行いながら研究する場合があります。臨床を行いながら研究する場合には、附属病院、センター病院、もしくは関連病院に勤務しながら研究をすることになり、研究が予定通り進まず修了が遅れることがあります。また、有給ポジションの有無など、必ずしも希望に添えない場合があります。

Q: 獲得できる専門医等の資格はありますか?

A:日本口腔外科学会の研修指定病院であり、口腔外科認定医・専門医・指導医の取得が可能です。認定医は3年間、専門医は6年間、指導医は12年間以上の在籍とそれに応じた症例の経験が必要です。当院での研修終了後すぐに取得できる資格はありませんが、口腔外科認定医取得のための症例数は十分に経験できます。当院での研修終了後に口腔外科認定医の取得希望がある場合には、さらに1年間、日本口腔外科学会研修指定病院に在籍する必要があります。専門医・指導医取得を目指す場合にはさらに長期間在籍し、学術論文や学会発表などの業績とより難度の高い技術を習得する必要があります。

Q:学会・セミナーへの参加はできますか?

A:研修に影響のない範囲での学会やセミナーへの参加は可能です。研修中に必ず1回は学会発表をしていただきます。また、発表内容を論文化することを努力目標としています。

Q:休暇はありますか?

A:夏季休暇(6月〜10月)は必ず5日間連続で取得していただきます。また,必ず有給休暇を5日間取得していただきますが,診療体制上、両者を連続して取ることは難しい状況です。

Q:アルバイトはできますか?

A:当院研修中のアルバイトは禁止です。

研修医の声(附属病院)

 横浜市立大学附属病院での研修は、口腔癌に対する超選択的動注化学放射線療法を始め、様々な口腔領域の疾患に対する治療を経験することができます。1年次には附属病院と関連病院において口腔外科における基礎的な知識と技能を多くの症例を通じて学ぶことができます。朝は入院患者さんの状態をチェックします。カンファレンスで担当患者さんのプレゼンを行い、その日の治療方針や管理方法を検討します。カンファレンスが終わったら、病棟と外来に分かれて研修を行います。病棟では、手術に参加したり、病棟管理について学びます。外来では、初診患者さんの診察や外来小手術を行います。2年次には口腔外科だけではなく、放射線科、形成外科、麻酔科、ICUにおいて研修を行うため、口腔外科医に必要な全身管理や隣接医学を学ぶ機会があります。附属病院での研修では指導医の先生から熱心に指導していただき、多くのことを学べる2年間となります。初期研修の2年間は歯科医師としての礎を築く大切な期間です。私たちは、横浜市大で研修ができてよかったと思っています。皆さんも充実した研修生活を送ってみませんか。

研修医の声(市民総合医療センター)

 横浜市立大学附属市民総合医療センターでは2年間を通して、外来での抜歯・小手術に始まり、全身麻酔での手術、特に顎変形症手術の助手など様々な経験をすることが出来ます。たくさんの症例を経験できるため、研修を通して多くの知識や臨床経験が得られると思います。指導医の先生方はとても熱心に各症例について指導してくれます。1日の流れとしては、午前中は初診患者の診察、午後は外来処置を行います。その他、入院患者の管理等行っています。医局の雰囲気も明るく、忙しいながらも充実した研修です。2年目には3か月間の麻酔科研修もあり、他科の手術に携わることによって歯科以外の全身疾患や全身管理について深く学ぶことができます。初期研修期間は、その後の歯科医師としての道筋を大きく左右すると思います。私達はその研修期間をセンター病院で送ることを選択して良かったと自信を持って言えます。口腔外科に興味がある方は是非当院での研修を考えてみてください。