センチネルリンパ節生検

センチネルリンパ節生検(担当:岩井俊憲。外来:月・火(午後)・木(午前))

 近年,低侵襲手術が求められており,乳癌を中心にセンチネルリンパ節生検が行われている。センチネルリンパ節とは悪性腫瘍から最初に流れるリンパ節であり,このリンパ節を同定・生検することでリンパ節転移の有無が診断でき,潜在的転移の発見や過剰なリンパ節郭清を回避することができます。
 頸部リンパ節転移を伴わない頭頸部悪性腫瘍の患者さんは原発巣(例えば舌)の切除のみが行われ,その後経過観察されることが多いですが,25~40%程度の確率で頸部リンパ節への転移が生じるとされています。そのため,予防的に頸部郭清術(頸部のリンパ節と脂肪組織を取り除く手術)を行う場合もありますが,術後の病理組織検査にて頸部リンパ節転移を認めかった場合には過剰な手術侵襲を加えたことになってしまいます。頭頸部領域においても導入されつつありますが,色素法やRI(放射線同位体)法が主体で,深部のリンパ節が同定困難な点や放射線被曝を伴うという欠点がありました。これに対し,蛍光赤外線カメラで血液やリンパ液中のインドシアニングリーン(ICG)を同定する方法を応用することで,悪性腫瘍周囲にICGを注入し赤外線カメラによるセンチネルリンパ節の同定が低侵襲かつ確実にできるます。そのため,このセンチネルリンパ節生検は頸部リンパ節転移を伴わない頭頸部悪性腫瘍患者さんの治療のブレークスルーになると思われ,低侵襲のため患者さんのQOLの向上が期待できます。
紹介状はなくても診察はいたしますが,選定療養費5,400円(税込み)が余分にかかりますので,近くの歯科や耳鼻科などで頂いてください。
低侵襲治療のご希望がありましたら,一度,ご相談下さい。
横浜市立大学附属病院(代表)045-787-2800 
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