・小学生男子 (大阪在住)

内視鏡下顎下腺唾石摘出術を受けて

~2011年 6月 唾石発見~
当時5歳の息子の左側の頬の辺りが赤く腫れ,発熱・脱水症状がひどくなったため,近所にある市立病院で入院することになりました。保育所に行っていたこともあり,おたふく風邪かなと思われていたのですが,病院で血液検査をして調べた結果,おたふく風邪ではないことが判明し,原因はわからないままでした。そして,1週間ほどで腫れがひいてきて,「退院しましょうか」となった日の朝にもしかすると唾石症かもしれないので,CTを撮ったところ顎下腺に唾石が見つかったのでした。その病院の耳鼻科の先生に唾石についての説明を受け,もし摘出手術を望まれるならここでは子供の手術の経験がないので大学病院に紹介状を書きますと言われました。私たちは唾石についての知識が全くありませんでしたので,手術をしなければいけないのかどうかも判断できないと思い,紹介された大学病院に話を聞きに行くことにしました。そこでは次のような点から様子を見たほうがよいと言われました。
・自然排出する可能性がある
・症状が頻繁に繰り返すようであれば手術を考えたほうがよい
・低年齢であるため手術の負担が大きい
・麻痺や全身麻酔のリスクと比較すれば急を要するものではない
私たちの頭の中に手術しなければいけない可能性が直近で出た場合にどうすればいいのか?という疑問が浮かんだため相談したところ,息子が何度か別の病気で手術をした病院にも耳鼻科があるため,そこでお願いしたほうが色々とデータが残っているので安心だと思いますと言われ,その病院にも話を聞きに行くことにしました。しかし,その病院でも上記の理由から様子を見たほうがよいと言われたので,私たちは唾石症とはそういうものなんだなと認識し,自然排出を願いながら様子を見ることにしました。

~2014年 6月 唾石症再発~
だんだん暑くなり始めた6月上旬のこと。奥歯の辺りが痛いと言い始め,ちょうど虫歯がある辺りであったため歯科の予約を入れることにしました。その時からだんだん食欲が減退していき学校の先生にも給食がほとんど食べられていないと言われ,微熱もあったため風邪も併発なのかな?と歯科に行った後に小児科を受診する予定でした。歯科では痛いところを見ましたが痛みの原因は虫歯ではないですねと言われ,小児科に行く前に左頬が腫れて来たのを見たときに「唾石だ」と思いました。小児科では抗生物質で様子を見ましょうと言われたのですが,症状が悪化して水分も飲みにくそうになっていたのでちょうど休日ということもあり,以前入院した市立病院の救急外来に行くことにしました。予想通りそのまま入院することになり血液検査などの結果からもおそらく再発ですねと言われ,症状が治まるまでは何も出来ないので,そこで治療して頂くことになりました。入院中夫婦で息子の唾石について話をしていくうちに
・以前より唾石が大きくなっていること
・自然排出は難しいのではないかと感じたこと
・以前より症状が重いと感じたこと
前回と同じように様子を見ることに対して上記の不安を感じたので,何とか摘出できないものか色々と調べていたところ,内視鏡での唾石摘出手術という低侵襲治療があると知り,関東では横浜市立大学病院の岩井先生がされていて,関西では神戸にある市民病院で行っているということで,まず神戸の病院に紹介して頂けるよう先生にお願いしました。退院後すぐに話を聞きに行き,CTを撮り直し診察して頂いた結果,内視鏡で摘出できるかどうかきわどい場所にあり,唾石も少し大きめなので摘出できますと言い切ることが出来ないので,無理だった場合,唾石はそのまま残ることになりますが,それでも手術を望まれるなら行うことは可能ですと言われました。事前に岩井先生の患者さんの体験記をHP上で読んでいましたので,唾石を砕きながら摘出することは可能ですかと質問したのですが,以前行ったことがありますが高度な技術を要するので今は行っていませんと言われました。少し悩みましたが子供なので全身麻酔を行ったあげくに,唾石が取れなかったというのも負担がかかりかわいそうなので
最後の望みをかけて岩井先生宛ての紹介状を書いて頂くようお願いしました。神戸の病院から帰宅した晩に早速岩井先生にメールを送りました。これでダメならどうしたらいいのだろうと考えながら就寝した次の早朝に岩井先生から返信がありました。まず返信の速さに驚いたのですが、先生の文章から安心して私のところに来てくださいと言われているように感じ不安が一瞬で飛んでいきました。そして,今なら夏休み中に2泊3日の手術が可能だと言うこともあり,先生が診察日の候補を書いて下さっていたので早速岩井先生のもとへ伺うことにしました。


~初診・術前検査~
早朝家族3人で新幹線に乗り,横浜市立大学附属病院へ向かいました。駅からのアクセスもよく最寄り駅と病院が繋がっていたので非常にわかりやすかったです。予約の時間に近づいたので受付をして口腔外科の前で待ち,しばらくすると岩井先生がいらっしゃって中へ入りました。息子の口の中を確認しながら,息子に色々と話しかけて息子の話も聞いてくださったり,私たちが神戸の病院で出来ないと言われ不安に思っていた質問にも詳しく回答して頂き、何よりこどもの唾石症手術の実績がある岩井先生にぜひ手術をしていただきたいと思いお願いすることになりました。何度も来院するのは大変だし,この日に術前検査を終わらせて,次来るのは手術前日にしましょうとお気遣いいただき,入院の説明や病棟の案内までして頂いたので本当に助かりました。看護士さんたちも唾石症の患者さんに慣れているのか岩井先生と同じようにいろんな気遣いをして頂けて手術で来る時も安心して過ごせるだろうなと思いました。
せっかく横浜に行くのだからと八景島シーパラダイスで一泊して大阪へ戻りました。

~入院・手術~
今回は主人は仕事で私と息子の二人で病院に向かいました。まだ息子も一人では不安だということで個室にしてもらい一緒に泊まることにしました。手術に向けての診察や手術当日の説明などを受けて,息子も明日は手術室までこんな感じで行くんだよというタブレットを用いた説明を受けたので少しだけイメージ出来たみたいでした。岩井先生は初診の時と変わらず終始にこやかで息子も私も安心感を与えて頂きました。少し緊張していたのかいつもより寝つきがよくなかったのですが,十分に熟睡したので万全の状態で手術当日を迎えられたと思います。息子の手術は午後からで全身麻酔なので飲食不可のため,本人はもう空腹を我慢できない寸前のところでした。そしたらお呼びがかかったので二人でホッとして,終わったらいっぱい美味しいもの食べようねと約束しました。岩井先生と看護士さんが手術室まで息子に話しかけながら
連れて行ってくださり息子も楽しく笑いながら手術室へと入っていきました。息子の手術中,私は部屋で待っていたのですが,予定時間を過ぎても中々戻ってきませんでした。普通なら何かあったのだろうかと心配になるところですが,私はその時,岩井先生が一生懸命石を砕いているところを思い浮かべていました。もともと説明を受けた時に「顎下腺ごと取り除かないといけない状況であればそれをしなくても良い方法
(唾石摘出後に唾液を出す指令を出す神経を切断することで,顎下腺を摘出しなくても同じ効果が得られる方法)を開発していますので,難しい状況でも侵襲の小さな手術が可能です」と聞いておりましたので,もしそうであれば岩井先生は早い段階で
その方法を採ることを決断されるだろうから時間が大幅に変わることはないだろうと考えたからです。そうこうしているうちに看護士さんから無事に終わりましたと報告を受け,岩井先生が内視鏡で唾石を全て取り除くことが出来ましたよと取れた石を一緒に持って来てくださいました。息子の前にも先生は他の患者さんの手術を行っていたので相当お疲れのはずなのにそのような様子は一切見せず,そして私たち家族が一番望んでいた内視鏡で摘出するという方法を時間をかけてして頂いたことに本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。ベッドに乗せられた息子が部屋に戻ってきて,麻酔で少し声が出にくい感じでしたがすぐさまトイレに行きたいと看護士さんを手こずらせていました。枯れた声で「お腹空いたよ」と言う息子に思わず笑ってしまい,食欲があることは何よりだなと思いました。そのあと一時間弱眠り,目が覚めた時には酸素マスクも取れ,様子を見ながら少しずつなら飲食可能と聞いたので,プリンを食べることになりました。一応口の中を切っているからか本人は少し恐怖感があったみたいで
恐る恐るプリンを食べ進めていきました。術後すぐに高熱も出ずに食べることができるというのは本当に体に負担が少ない手術だったんだなと思います。次の朝にはすっかり元気になり退院して大丈夫ですよと許可も頂き抗生物質と口内の洗浄のうがい薬を持って病室を出ました。そして屋上にある食堂で大きなかき氷を食べて大阪へ戻りました。

~退院後~
退院して4か月が経ちましたが何事もなく元気に過ごしております。たまに息子と唾石のことを話すのですが,「岩井先生がいるからまたなっても大丈夫だね」と笑って話すことができるくらい本人にとっても私たちにとっても負担のない手術でした。岩井先生には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
唾石で不安を抱えている方はぜひ岩井先生に相談してみてください。
息子に関わって頂いた横浜市立大学附属病院の先生,看護士,スタッフのみなさん色々とお世話になり本当にありがとうございました。