内視鏡下唾石摘出術

内視鏡下唾石摘出術
(担当:岩井俊憲。外来: 月・火,全身麻酔手術日:水)

 唾液(つば)は耳の前にある耳下腺や下顎の内側にある顎下腺で作られ,口腔内に排出されますが,唾石(唾液の出る管にできる石灰化物)が生じると唾液が出にくくなり,唾仙痛(食事時の唾液腺の痛みと腫れ)が生じることがあります。時に感染が生じ,顔が腫れるなどの症状が出現し,反復することが多いです。このような場合には唾石を摘出する必要がありますが,従来から行われている口腔粘膜や皮膚を切開する方法では,舌神経麻痺(舌がしびれる)や顔面神経麻痺(顔の動きが悪くなる)の可能性がありました。そこで,われわれは唾液腺開口部(唾液の出口)から細い内視鏡を挿入し,唾石や粘液などの障害物を確認し,唾液の出る管の中からそれらを摘出する内視鏡下摘出術を行っています。皮膚を切開する顎下腺摘出が必要と診断されても,当科では内視鏡下で低侵襲に唾石を摘出できる場合もあります。

 初診(最初の受診)時にCTなどの検査と手術説明を行い,次回受診時は手術になります。
 唾石が小さい場合には,局所麻酔の日帰り手術(30分程度)が可能な場合もあります。
 唾石の大きさが大きい場合には管の中で破砕して内視鏡下に摘出するため,全身麻酔で行います。その場合の入院期間は2泊3日(3泊4日)です。

神奈川・東京・千葉・埼玉といった関東だけでなく,日本全国や海外(アメリカ・スペイン・シンガポール・マレーシアなど)からも多くの患者さんが受診されています。
顎下腺摘出が必要と診断されても,当科では内視鏡下で低侵襲に唾石を摘出できる場合もあります。
低侵襲手術のご希望がありましたら,紹介状(できれば画像データも)を持参のうえ、ご相談下さい。

学会などで不在のことがありますので,メールか電話で診療可能かご確認下さい。
横浜市立大学附属病院(代表)045-787-2800 
→岩井先生へのメールでのお問い合わせはこちらから


【News】

2015/8/31 岩井俊憲助教が行っている唾石の低侵襲手術が週刊ポストの以心伝心に掲載されました。
・2014/10/19 岩井俊憲助教が第59回日本口腔外科学会総会のシンポジウム「口腔外科領域での内視鏡の応用」でシンポジストとして講演しました。
・2014/4/25 横浜市立大学先端医科学研究センター市民講座でプロジェクトリーダーの岩井俊憲助教が「患者さんにやさしい歯科・口腔外科の内視鏡手術」の講演を行いました。
・2014/4/18 岩井俊憲助教の内視鏡の研究が神奈川新聞に掲載されました。
・2013/10/11 第58回日本口腔外科学会総会の若手口腔外科医のためのミニレクチャーにて、「口腔顎顔面領域における内視鏡を用いた低侵襲手術-導入のためのA to Z-」のテーマで50分間の講演を行いました。

・2012/10/20 第57回日本口腔外科学会総会の若手口腔外科医のためのミニレクチャーにて、「新しい低侵襲な唾石摘出術-従来法から内視鏡下摘出術へ-」のテーマで約1時間の講演を行いました。

<唾液腺内視鏡>
<導管内内視鏡画像(左:導管、右:唾石)>

内視鏡下唾石摘出術:術中の動画


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